まずは、イメージを具体的に持つ
最近ますます東京在住の知人・友人から「軽井沢移住を考えている」と相談されることが増えました。
移住ニーズの高まりにより、軽井沢町の地価は住宅地・商業地ともに今もなお大きな上昇が続いているそう。実際、あちこちでマンションや戸建てがひっきりなしに新築されているのを目にしますし、売買も賃貸もすぐに売れてしまって良い物件がないという話をよく聞きます。
とはいえ「良い物件」の基準は人それぞれ異なりますし、生活するのは自分なのだから万人にとって良い物件である必要はありませんよね。
なので、相談を受けると私はまず「どういう暮らしをしたいか、イメージを具体的にした方がいいです」とアドバイスしています。
建てたい家の大きさ、間取りやライフスタイルによって適切な土地は変わります。また非の付けどころがないパーフェクトな土地は存在しないので(見つけられたら奇跡)、何が譲れて何が譲れないのか、優先順位をはっきりさせておくことも大事です。
今回のコラムでは、定住&通勤前提で移住を希望する場合の、土地探しのポイントについて書いてみたいと思います。
通勤必須なら、軽井沢駅の近くで探すべき?
土地探しの際に「通勤しなければならないから」という理由で軽井沢駅に近いエリア(新軽井沢・旧軽井沢・南軽井沢)に絞ろうとする方がいらっしゃいますが、実際に住んでみた私の感想として、駅近かどうかはあまり重要ではないとお伝えしたいです。
駅まで徒歩レベルの駅近なら話は別ですが、軽井沢駅まで歩ける場所となるとかなり限られますし、そもそも車を使うのなら多少駅から離れても所要時間に大して差が生まれないからです。
それより、駅までどういう道を通るか・混雑時の裏道の有無を確認することをお勧めします。
平日朝7時半〜9時ごろ、駅に向かう国道18号はかなり混雑します(特に借宿〜中軽井沢交差点の辺り)。通勤がこの時間帯にかぶる場合、駅からの距離よりも回避できる裏道があるかないかで所要時間がかなり変わります。
またハイシーズンの日中、中軽井沢交差点〜ハルニレテラス間の国道146号、国道18号の中軽井沢交差点、離山交差点、軽井沢・プリンスショッピングプラザ周辺道路は大渋滞します。時間に余裕がないと絶対イライラしてしまうので、生活道路として利用する場合は裏道の確保をお勧めします。
通勤必須なら、真冬の道路状態を必ず確認!
「自然に囲まれ、静かな森の中で暮らしたい」――そう思って、軽井沢に移住される方も多いと思います。実際、最近の家は高気密・高断熱で、平地より標高の上がる森の中の別荘地でも年中問題なく暮らせます。
ただ、やはり通勤必須となると話が変わってきます。
公道は除雪車が走ってくれますが、どうしても交通量の多い幹線道路が優先されるので、森の中の道路だと早朝の時点ではまだ除雪されていない可能性が高いです。
除雪が必要なほど降るのは年に数回ですし、予報であらかじめわかっていればホテルに前泊するなど対処の仕様もありますが、突発的に大雪が降って通勤できなくなるリスクがないとは言えません。
また軽井沢の場合、真冬に雪が降ると日当たりの悪い場所はそのまま道路凍結します。これが非常に厄介で……幹線道路に出るまでの間に大きなアップダウンがあると、スタッドレス&四駆でも上がれない・下りられない状態に陥ります。
真冬の運転で怖いのは、むしろ雪より凍結。特にカーブが滑るので、山道の早朝・夜間の運転はかなり危険です。
通勤ありの移住の場合には「定住可能」と言われた場合でも、真冬の道路状態はご自身の目でしっかり確認しておいた方が安心だと思います。