今年は暖かくなるのが早いですね。

いつもは首を長くして待つ軽井沢の春ですが、今年はむしろ急ぎ足でやってきそう。嬉しいような、寂しいような。「もう少し雪景色が見たかったな」なんて思ったりもします。

さて、今回のコラムでは新たな試みをしてみようと思います。

軽井沢にはアクティブで魅力的な移住者の方々がたくさんいらっしゃるので、私がインタビューをし、こちらで紹介させていただこう！という企画です。

軽井沢への移住を考えていらっしゃる方にとって、やはり一番聞きたいのは移住者の生の声だと思います。

実際に私もそうでした。私もネットでたくさん検索をして、移住した方のブログを読み漁ったりしていました。

ただブログやSNSだと顔が見えないことも多く、「どういう方のコメントなのか」がわからないのが残念。

同じような思いを持つ方にとって、少しでも参考になれば幸いです。

初回にご登場いただくのは、軽井沢町・農協通りでナンタケットバスケット教室『C-Studioワン』を主宰されている、和久井千鶴先生です。

ナンタケットバスケット講師　和久井千鶴先生
移住した年：2013年

−まず最初に、和久井さんが軽井沢移住を決めたきっかけを教えていただけますか？

私はもともと東京で暮らしていました。
ご縁があり、1999年に音楽を勉強していた娘とともにウィーンに渡ったのを機に、ウィーン→ボストンと14年間の海外生活を経験。
その後2013年に日本に帰国したのですが、海外生活が長かったからか自然に囲まれた静かな場所で暮らしたいと願うようになって。
東京にも家がありますが、別荘として使っていた軽井沢の家に住むことを決めました。

−長く海外で生活していらっしゃったのですね。それにしても思い切った決断だったと思います。軽井沢での生活に不便はありませんか？

不便といえば…やはり雪ですね。4年前の大雪の際は弱りました。今年は雪が本当に少なくて助かりましたが。町や管理事務所が除雪してくれますが追いつかない時もあり、不便を感じることがありますね。

後は…テレビ。東京よりチャンネルが少なく、見られない番組があるのがとても残念。友人が出演しているのに見られなかったことがあって、悔しい思いをしました。

−雪とテレビ！確かに、私も不便を感じるとしたらその2つかもしれません。では逆に、移住して良かったと感じるのはどんな所でしょうか？

何よりもまず、15歳になる愛犬のチワワが楽しそうに元気に過ごしていることです。真夏でも外を歩ける気候もそうですし、軽井沢はワンちゃんを飼われている方が本当に多い。皆に可愛がってもらえる環境はありがたいですね。

−私もワンちゃんを飼っているので、とても共感します。ところで和久井さんは現在ナンタケットバスケットのお教室をされていますが、いつ頃から活動されていらっしゃるのですか？

ナンタケットバスケット*を集中して学んだのはボストン在住の時。ただ、自分が講師をするなんてことは考えてもいませんでした。お教室を始めたのも軽井沢に移住した翌年からです。
*アメリカ東海岸マサチューセッツ州にある高級避暑地、ナンタケット島で生まれた伝統工芸。“籠のエルメス”とも称され、多くの人を魅了している。

そうそう、移住して良かったことがもう1つあります。年齢や過去の経歴などに関係なく、“軽井沢が好き”という一点で様々な人と交流できること。
私がナンタケットバスケットの教室を始めたきっかけも、軽井沢で知り合った先輩方に背中を押されたからなんです。
こうしてライフワークとも言える、人生のやりがいを見つけられたのは、軽井沢で出会った友人たちのおかげ。感謝しています。

−同感です。都会だとどうしても年齢やライフスタイルで付き合う友人が偏ってしまいがちですが、軽井沢ではいろんなバックグラウンドの方達と自然に仲良くなれる。不思議ですよね。

人として魅力的な大人が多いですよね。人との距離感もちょうどいい。ホームパーティーをしたり気軽に食事に行ったり温かい付き合いができるけれど、だからといって必要以上に踏み込むことはしない。バランスがとてもいいですね。

−私も同じように感じています。とても居心地が良いですよね。最後に、ぜひ和久井さんのお気に入りの場所を教えていただけますか？

自宅ベランダ、それからナンタケットバスケット教室にしている農協通りのアトリエ、雲場池や家の周りの散歩道…でしょうか。特別な場所に行かなくても、日常の中にお気に入りがたくさんあります。

初のインタビューを掲載させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。

また折に触れて様々な方をご紹介できればと思っていますので、楽しみにしていただけると嬉しいです。