1. 軽井沢TOP
  2. Karuizawa Life
  3. 移住者インタビューVol.5〜競争より共存したい…「追分男子」が描く未来
移住者インタビューVol.5〜競争より共存したい…「追分男子」が描く未来

移住者インタビューVol.5〜競争より共存したい…
「追分男子」が描く未来

  • 2021年4月19日
  • Karuizawa Life

移住者インタビューVol.5:「追分男子」代表 船倉裕作さん

軽井沢

暖かくなったと思ったら急に冷え込んだり……まだまだ油断はできませんが、軽井沢にも少しずつ春の気配が漂い始めました。

お散歩中にふきのとうを見つけてほっこりしたり、先日はお庭の梅の木にたくさん芽がついているのを発見。冬が厳しく長いだけに、やっと春が来たんだなぁとしみじみ喜びを感じられる、こういう幸せも軽井沢暮らしの良いところです。

さて今回は、そんな始まりの季節にぴったり。軽井沢 追分エリアで新しい&面白いチャレンジをされている船倉裕作さんのインタビューをお届けします。

「追分男子」代表 船倉裕作さん
移住した年:2017年

Instagram:https://www.instagram.com/yusakufunakura/

−まず最初に、4年前に25歳という若さで移住したきっかけを教えていただけますか?

知り合いに誘われ、1ヶ月間の期間限定で軽井沢のホテルでアルバイトをしたことがきっかけです。

出身は横浜で東京の大学に通っていたので、都会暮らししか知らなかった僕には軽井沢の「不便さ」がむしろ新鮮で。電波も届きづらく自然とデジタルデトックスになったりして、そんな生活が妙に居心地よかったんですよね。

このまま軽井沢で暮らしたい……ただ実際にはフリーで勝負できる経歴も実績もなかったため、情熱とフットワークの軽さだけを武器に、目の前のことに一つずつ向き合うことからのスタートでした。

ホテルやレストランで働きながら何かできることはないかを探しつつ、その一方で、東京にいる仲間に声をかけ「軽井沢で一緒に面白いことしようよ」と伝え続けてました。

−そんな中で「追分男子」が結成されたんですね。船倉さんが代表をされているこの「追分男子」は、どのような活動をされているのでしょうか?

「追分男子」は一言でいうなら軽井沢 追分エリアを拠点とする青年会という位置づけです。現在は僕を含めた4人のメンバーがおり、それぞれが得意分野を生かして活動しています。

僕のやってきたことをお話しすると、まず2019年に、追分にある朝食カフェ『Cafe Forest Vale』でランチ&ディナーを提供する『Bistro Forest Vale』をスタートさせました。

知り合ったフレンチ出身シェフとタッグを組み、カフェのオーナー夫妻がモーニング営業を終えた後に店舗をお借りしてランチ&ディナー営業を始めたんです。

観光の中心地からは離れた場所にありますが、森の中のカフェという佇まいが本当に素敵なお店。ぜひ多くの方に知ってもらいたいし、こういう場所を流行らせることができたら自信になると思いましたね。

−実際、ビストロ営業を始めて2年でずいぶん知名度を上げられましたよね!ハイシーズンはいつ通りかかっても満席で、予約ナシには入れませんでした。どういう宣伝活動をされていたんでしょうか。

お店を始める前は、とにかく他県から観光客を呼ぶことが大事だと思っていました。HPやInstagramの魅せ方にこだわり、一生懸命外に向けて発信して「まだ見ぬ誰か」をターゲットにしていたように思います。

けれど実際にお店でお客様と触れ合ううち、別荘の方を含め、軽井沢に住んでいる人たちに楽しんでもらえるサービスが重要だという結論に達したんです。

それに気付いてからは、ひたすら地道に足を使って営業しました。自ら周辺のお店に足を運び、スタッフさんたちに「よかったら仕事帰りに来てください!」とお願いして回ったり。

これは店の売り上げを作るために必死でやったことでしたが、今改めて考えてみても間違っていなかったと思います。

まずは顔の見えている相手に来てもらい、リピートしてもらえるサービスを考える。その繰り返しで少しずつお客様が増えていきました。

−現在はすでに『Bistro Forest Vale』から離れ、別の店舗をお手伝いしていると伺いました。

この春からは『Bistro Forest Vale』を離れ、ハルニレテラスにある『モリアソビ』の運営を手伝っています。

『モリアソビ』はもともとお洒落なアウトドアリビングのコーディネートをしていたり、北欧雑貨を扱っているお店なのですが、そこに飲食をプラスしてお客様との接点を増やしていこうと考えました。

実は昨年夏から「モリノバー」という形で小さくバー営業を開始していたのですが、今シーズンは朝食/ランチ/ディナーと通しで営業を始めます。

『モリアソビ』はハルニレテラスという観光地のど真ん中にあり『Bistro Forest Vale』とは客層がガラリと違う。お客様を獲得する戦略も異なるので、新しいチャレンジに試行錯誤しています。

場所柄、最初は知らずにふらりと立ち寄られる方が多いだろうと予想しているのですが、期待値を超えることで満足度を上げリピートに繋げていきたいですね。

「追分男子」のメンバーはまだ全員が20代。体力もあり無理がきくので、頭で考えるよりもまずはやってみるというスタンスでスピード感を持って取り組んでいます。

夏には町内に2店舗目もオープン予定。こちらはまた詳細が決定してから告知しますね。

−「追分男子」では、農家さんとコラボレーションした取り組みもされているんですよね。

はい。「OIWAKE808」というネーミングで、地元の農家さんとコラボレーションし農家直送野菜の販売を始めています。

地元の方と触れ合う中で、自分も農業に携わってみたいと思うようになったこと、また真心込めて作られたフレッシュな野菜をもっと多くの人に届けたいと感じたのがきっかけです。

農家直送野菜は「OIWAKE TOWN」というオンラインサロンに入会し「隣人」になっていただくことで購入権を得られる仕組み。サロンでは他にも町おこしイベントへの招待や農家体験など、楽しんでいただける企画を考えています。

オンラインサロン「OIWAKE TOWN」
HP:https://www.oiwake-men.com/home

−「隣人」という設定も取り組みも面白いですね。アイデア豊富な船倉さんですが、今後の目標や実現したい夢などはありますか?

僕は昔から競い合うのが苦手。競争するのではなく皆で共存できる社会を目指したいという思いがあります。

大学を卒業し一度も就職をせず軽井沢移住を決めた時は、家族や友人を含め多くの反対にあいました。何か大きな目標を掲げているわけでもなく、行き当たりばったりに見えるのかもしれません。

けれどもこうやって、いま自分にできることを一つずつ形にしながら視野を広げていった先に見えてくる目標もあるのではないでしょうか。僕にはそういうやり方が向いているのだと思っています。

何より「追分男子」のメンバーとああでもない、こうでもないと意見交換し合う時間が本当に楽しい。ワクワクしながら活動して、結果的に軽井沢町が元気になったらこれほど嬉しいことはないです。

千ヶ滝別荘地にお住まいの皆さまも、よかったらぜひ『モリアソビ』にいらしてください。

2021年4月19日
Karuizawa Life

PAGE TOP